色が教えてくれること

色の不思議

私たちの世界には「色」が溢れていますね。

宝石に日々触れていると、地球がこんなに美しい色を作り出すということに
驚きを覚えるとともに、自然の織りなす色こそ美しいと思い知ることになります。

宝石に光を当てると、その宝石の構造の違いにより色の見え方が違います。
室内と屋外では違う色に見える宝石もあれば、角度によって違って見える宝石もあります。

もちろん単色の宝石もありますが、総じて色は私たちが宝石を感じるファーストステップなのだと
思います。

なんて美しい色・・・そう言ってため息をつかれるお客様も多いですし、私自身もいまだにそうです。

宝石はその小さな体を精一杯使って主張している。
その最たるものが色の主張です。

好きな色と苦手な色

そして「この色大好き!」という宝石も肌の上に乗せると違って見えてがっかりすることがあります。
そうかと思えば苦手だった石・自分には関係ない石だと思っていたのに、手に乗せたら
あらびっくり!!もう外せない・・・というほど惹かれてしまうこともあります。

私がお見立てする時、お客様によく言われる言葉の筆頭として「自分では絶対に選ばない」が挙がります。

たとえばオレンジ色。
これは案外苦手とする方が多いんですね。

パキッとした原色オレンジから柔らかいサーモンピンクまでをオレンジとして、
「苦手・・・」という方の多さに驚きます。

苦手なのか嫌いなのか。ここが結構重要で、「嫌いじゃないけど苦手」ならばGOです。
けれど嫌いだったならそれはもうアウトですね。

やはり毎日身につけるものが嫌いだったら気分だってよくありません。

でも苦手だと言われたらつい推してしまいます。


だって好きなものだけに囲まれるってとても素敵なことですが、自分の枠の外へは
なかなか行かないゾーンに入ってしまっているということにも気づかねばならないと思うのです。

苦手は飛躍のサインかも

苦手意識というのは何らかの原因があるはずです。
例えば先述のオレンジに関して言えば第二チャクラを司る色。

第二チャクラといえば

・自己信頼
・自尊心
・自己肯定感
・生活力(リアルの力)
・情熱やモチベーション
・セクシャリティ

などに関わってきます。
ここに抵抗感があるとオレンジになんらかの拒絶反応が生じる場合があります。
別に抵抗があってもいいんですが、お見立ての際、その方が前進するのにここの
活性化が欠かせない場合、あえてその苦手を推すことがあります。

短所だと思っていることやコンプレックスが強みに変わると言われているように
苦手だと思っていることも真剣に取り組んでみたらそこを突破口に開花することは
よくあります。

そして「あんなに苦手だと思っていたのに」と思っていたことも、過ぎてみたら
いったい何に抵抗していたんだろう?とキツネに摘まれた気分になることもあるんですね。

ですから苦手・・・は一つの飛躍のチャンスかもしれません。

青い色がもたらすもの

比較的、皆さんが「この色好き〜」と言われ、万人受けする宝石の色は青系の石です。
ここでは青といってもターコイズの明るい青でもアクアマリンの軽やかな青でもなく、重たい青を指します。
ロイヤルブルーといったらわかりやすいでしょうか。または藍色。


ピンクやオレンジに対する抵抗感に比べると、この辺りの青い石は圧倒的に人に好かれます。

青は表現や直感を司ります。そして冷静さをもたらす色でもあります。
ですから人は本能的に青に対して安心感を覚えるのではないかと思うのです。

急激な変化もやってこない。
今のご自身をガラリと変える必要も生じない。

青はそのままの状態でもいいという許可を与えてくれている(と感じる)色でもあるのではないかと思います。

「そのままの状態でもいい」これは一見いいように聞こえますが、「あなたはありのままでいい。」
といった全肯定の色でもないんですよ(これはピンク〜ベージュあたりになると思います、一般的に)。

青は「今の自分・心地よい自分」と感じている状態にとって心地の良い色なんじゃないかと思います。

静かに凪のように佇んでもオッケー。
そんな感覚です。

ですから私は青を所望される際に「いや、違いますね」と却下することがとても多い気がしています。

年齢を重ねると好奇心やチャレンジする気力が奪われていきます。
なるべく省エネでより良く。

これも大切なことです。
けれど青をクリエイティビティに使わず鎮静に使うとしたら、とてももったいないことです。

もちろん青をお勧めする方もいらっしゃいます。
その方の存在に重みを持たせたい時や、静かに内に潜りご自身を見つめてほしい方、熱さがいき過ぎちゃっているから冷静さも育てたいときなどにお勧めしているのが青い石です。

そもそも内向的だったり、自己完結しがち、内観が得意。

そんな方には青をあえて添加する必要がないのです。

ご自身の質として「青」を持っているから。

そして人は持っていると自覚する性質に対応する色を好む傾向があるなと思っています。
だからこそ、苦手な色はまだ活性化していない部分に対応するものだったりします。

おもしろいものですね。

色を味方につけよう

「どうなりたいですか?」

そんな問いかけをもう10年以上も続けています。
人間は「よりよくなりたい」という欲求を誰もが持っています。

その願いを叶えるために、自力だけではなくさまざまなものを駆使したらいいと思っていますし
私自身もそうしています。

その「さまざまなもの」のうちに含まれるのが色の力です。

赤い色は赤の波動、青い色は青い波動。
それぞれが放つピュアな波動に私たちが乗っかっていく。

どうなりたいか?の理想形に行くためにどの色の波動を使うのか。

色は自然の神秘でもあります。もちろん宝石も神秘。
それを味方につけてなりたい自分へと近づくために今日も生きていく。

とても心強いと思いませんか?

私はそんな日常がとても好きです

Atsuko Takano