Gem-A Gemmology Diploma試験に合格しました

2年の歳月を経て・・・

私事ではございますが、この度Gem-A(英国宝石学協会)のGemmology Diploma試験に合格いたしました。

Gem-Aって日本では知名度が低いのですがざっとこんな感じの機関です。学校のHPより引用。

Gem-A(英国宝石学協会、The Gemmological Association of Great Britain)は、1908年に英国ゴールドスミス協会の教育委員会としてロンドンに設立された、世界で最も歴史ある宝石学(Gemmology ジェモロジー)の教育機関です。

2008年には記念すべき創立100周年を迎え、教育カリキュラム、テキストおよび試験システムなどのリニューアルが行われ、より学習しやすくなりました。

Gem-A認定の宝石学ディプロマを取得した卒業生は、FGA(Fellow of The Gemmological Association of Great Britain=英国宝石学協会特別会員)となる資格を与えられます。1913年に世界初の宝石学ディプロマとして授与されて以来、FGAは国際的に認知されている世界で通用する宝石学資格です。

宝石の幅広い知識と宝石鑑別鑑定技術を持つことの証として、FGAは宝石の売買や評価を必要とする場面で大いに役立つ資格です。

という感じです。

しかし私は学校に通う前にこれをしっかりと読んでおらず、「合格率も比較的高そうだし簡単だね」と思って安易に2024年に入学したのです。

ちなみに今回取得したDiplomaは、英国の資格制度では「Level 6」に位置づけられています。これは学士号(Bachelor’s degree)と同じレベル区分です。(※学士号そのものを取得したという意味ではありません)。

甘かったよね。Level6の資格を軽い気持ちで(しかも2年で)取ろうなんて今なら引くわ。

一年目はファンデーション試験。2025年6月に受験したのですが、いわゆる業界用語というか共通言語を覚えることに必死で、最初は何言ってんだかわかんないという感じでした。
ファンデーションで一番苦労したのはそこ。
言葉、定義、何もかもまっさらなのでそこを整える試験。まさにファンデーション。

「え、宝石扱ってるからアドバンテージがあるのでは?」と良く言われましたがいえいえいえ。

イギリスの学校の定める厳格な定義を外すと先生に怒られる。
そして宝石屋にとって日々使う知識や言葉などほぼないと言っていい。

完全に自分が知らない世界に足を突っ込んだわけです。

科学、化学、地質学、色彩学、物理なども駆使してありとあらゆる角度から宝石を学ぶんですが、文系の私にとって相当な苦痛だった・・・。避けて通ってきたことがオンパレードで押し寄せた感じでした。

で、一年目。必死に勉強して合格。
でもね、本当の試練はディプロマに進級してからだったと後から知るのです。

嘘でしょ?と衝撃を受ける日々

ディプロマに上がってわかったこと。
おそらくファンデーションはディプロマ試験を受けるための土台作りのようなもの。

なのでファンデーション合格は単に一年かけてようやくスタート地点に立っただけということでした。

そしてその後、ファンデーションで「大変、大変」と騒いでいた自分を呪い失笑することになる。
同じクラスの子が後半、「入学面接の時に、1日最低3時間、休みの日は10時間ほど勉強できますか?って聞いて欲しかった・・・」と言っていたけどまさに。

別格の覚悟が必要だった・・・。

追いつかない膨大な量。一体「これなら大丈夫」という状態に仕上がる日は来るのだろうか??


そんな不安と焦りを全身に纏って、2025年9月から2026年6月まで必死で勉強しました。
使ったボールペンの芯は10本以上。首は勉強しすぎて椎間板ヘルニアになる始末。

いや〜〜つらかった。
なんといってもこの年齢で記憶することの難しさよ。
若い頃ならおそらく3分の1くらいの勉強量で行けたのではと思うほど覚えられないのです。

新しいことを覚えてもこの前覚えたことがところてん方式で抜けていくような感覚。
来る日も来る日も勉強しました。

こんなにしたのは初めてです、本当に。

試験当日

で、迎えた試験当日。
試験は理論試験が1日、実技が1日の計2日。

理論試験は2時間半✖️2。

そして全て記述試験です。午後はA4用紙16枚びっしり埋める感じ。
もう手が痛いったらない。

実技試験って一体何するの?と聞かれるのですが、屈折計、分光器、二色鏡、UVライト、カラーフィルター、ルーペや顕微鏡を使って「この石はこの宝石種である」と鑑別していきます。

お年頃の目にはそれはそれはキツイ作業で、細かいメモリを小数点第三位まで読まねばならないという苦行。

しかし何より自分でも驚いたのが実技試験の結果。
あれほど不安だった実技は88%のA評価で、宝石種の同定はまさかの全問正解、誤答ゼロでした。

これ本当に嬉しい。

そんなわけでもうボロボロになりましたが終わった〜〜〜となった瞬間、紙の資料を全部処分した時の気持ち良さといったら!!

終わった後は毎日祝杯を上げ続け、8月頭まではひたすら宴が続きました。(このお祭り騒ぎが終わって今の絵画の引きこもり生活に至るわけです)。

結果が出るまで

試験が終わったのが6月26日。今日が9月13日。

ほぼ3ヶ月待ちました。長いですよねえ。


日本語で書いた大量の答案が英国での採点工程を経るため、結果が出るまでにはかなり時間がかかります。

合格にも成績区分があり、上位には「Merit」、さらにその上に「Distinction」があります。
私は図々しくもDistinctionを狙っていたのですが、理論が77%。A評価となる80%まで、あと3ポイント届かず。

悔しい・・・。

とはいえ無事、Meritという“色付き”成績で合格しました(←超負けず嫌い)。

今回のDiploma取得によってFGA Membershipへの申請資格を得ました。
登録が完了すると、名前の後ろに「FGA」の称号を付けることができます。

高野睦子 FGA

まあ誰かが見たとて何のことかわかんないですけれどね(笑)。。

今日は結果のお知らせのみ。ディプロマは後日送られてくるそうです。

まとめ

天冲殺だから2年勉強するにはちょうどいいな、なんていう軽い気持ちで入学した私でしたが、思惑が外れて非常に過酷な2年間となりました。
合格率が高い理由にはからくりがあり、この過酷さに耐えるメンタルと体力がないと、学校に通い続けるのも苦痛でしょう。

脱落しなかった人たちは真面目であり一生懸命頑張るから、そりゃ合格率も高くなりますな。
合格率マジックってあるんだなあということを思い知ったのでした。

辛かったと言いつつも、ここまで真剣に必死に何かに取り組んだということはとても大切な私の宝であり、合格し資格を得たことももちろん嬉しいのですが、この努力ができたという自信が何より尊いのではないかと思います。

しかしながらDistinctionを逃した3ポイントは、正直まだ悔しいです(笑)。でも、その悔しさまで含めて、私らしい2年間だったと思います。

宝石を扱う人間としてこのタイトルがあることの自信は大きいなあと思います。
励ましてくださった皆様、応援してくださった皆様、ありがとうございました。

ようやく終わったなという締めくくりの気持ち。
備忘録として書いておきました。

最後までお読みくださりありがとうございました。